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法を重視するあまり、とかく各社会に特有の文化的要因や文化的背景を軽視しがちな傾向がありましたが、本学部で確立しようとしている新たな政策科学は、何よりもこの点についての反省にもとづいて」いるとのことである。
さらに、1996年に愛媛大学法文学部は、「『高度情報化社会のマルチプランナー育成』を合言葉に、従来の法学科と経済学科を統合」し。「創造的な問題発見・解決能力の育成を教育目標」とする総合政策学科を開設した。したがって、公共政策コース、国際政策コース、社会経営コースの政策系コース以外にも司法コース、経済コースが設けられている。
上記愛媛大学のように従来の学部改組により政策科学系の学部を設ける事例からも窺えるように、以前にも増して政策科学系学部への関心は高まっているようである。学部、学科改組、新設以外にも、カリキュラム改正により政策科学教育に力を入れる大学も増えつつある。1994年には、名古屋大学法学部に「これからの公共領域(統治・自治・社会団体など)のあり方を考える力を養う」ことを目標とする公共政策コースが設けられた。同年、早稲田大学法学部にも公共政策、コースが置かれることとなった。さらに、新潟大学法学部にも、政策科学論コア・カリキュラムが設置された。
また、大学院レベルでも高度な専門的職業人養成を中心に政策科学の領域は発展しているのである。慶應大学大学院の政策・メディア研究科、同志杜大学大学院の総合政策研究科などが設けられており、1997年4月には中央大学大学院の総合政策研究科、立命館大学大学院の政策科学研究科が設置される。
(今川晃)
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